育成就労はN4合格で入国させると企業の「優良ポイント」に不利?
育成就労制度では、外国人材の日本語能力を高めることが非常に重要です。
そのため、
「できるだけ日本語能力の高い人材を採用したい」
と考え、ミャンマーでN4に合格してから日本へ入国してもらうことを検討している企業様も多いと思います。
N4を取得してから入国すること自体には、大きなメリットがあります。
しかし、育成就労制度の**「優良な育成就労実施者」の評価**まで考えると、少し注意しなければならない点があります。
それが、
入国前にすでにN4に合格していると、日本での「日本語能力の向上」を評価するポイントを取りにくくなる可能性がある
という点です。
そもそも「優良ポイント」とは?
育成就労制度では、受入企業(育成就労実施者)の取組や実績などを点数化して評価する仕組みがあります。
企業が一定以上の評価を受けるためには、日本語教育だけではなく、
・技能の習得状況
・日本語能力の向上
・法令遵守
・外国人への相談・支援
・育成環境
・適正な労務管理
など、複数の項目が関係します。
そのため、企業としては「外国人が仕事をしている」というだけではなく、3年間でどれだけ人材を育成できたかという点も重要になります。
なぜN4合格で入国すると注意が必要なのか?
ここが今回のポイントです。
育成就労制度は、その名前のとおり、
「日本で働きながら人材を育成する制度」
です。
日本語についても、入国時の能力だけではなく、育成就労期間中に能力を向上させることが重要になります。
例えば、
Aさん
入国時:N5
↓
日本で日本語教育
↓
N4合格
という人の場合、
「日本で育成就労を行った結果、日本語能力が向上した」
という成果が非常に分かりやすくなります。
一方、
Bさん
入国前:すでにN4合格
↓
日本入国
↓
3年後もN4
という場合、
本人の日本語能力は最初から高いのですが、
「育成就労期間中に日本語能力が向上した」
という評価につながる実績を作りにくくなる可能性があります。
N4で入国することが悪いわけではありません
ここは誤解しないことが重要です。
N4合格者を採用すること自体は、決して悪いことではありません。
むしろ現場では多くのメリットがあります。
N4程度の日本語能力があれば、
・仕事の説明を理解しやすい
・日本人スタッフとコミュニケーションを取りやすい
・安全上の指示を理解しやすい
・生活上のトラブルを減らしやすい
・報告・連絡・相談を行いやすい
・特定技能への移行準備を進めやすい
などのメリットがあります。
企業にとっては、日本語能力が高い状態で入国してもらえること自体は非常に大きなメリットです。
問題になる可能性があるのは、
「優良な育成就労実施者としての加点をどのように取っていくか」
という別の話です。
N4で入国した場合はN3を目標にする
では、N4合格者を採用した企業はどうすればよいのでしょうか。
一つの考え方は非常にシンプルです。
N4で入国した人は、N3を目標に育成する
という方法です。
例えば、
入国時 N4
↓
日本で継続して日本語教育
↓
N3合格
という実績を作ることができれば、
「最初から日本語ができる外国人を採用しただけ」
ではなく、
「企業が受け入れた後も継続して日本語教育を行い、さらに日本語能力を向上させた」
という育成実績を示しやすくなります。
N5入国とN4入国、どちらが企業に良い?
単純に「どちらが良い」とは言えません。
| N5で入国 | N4で入国 | |
|---|---|---|
| 入国時の会話力 | 比較的低い | 比較的高い |
| 仕事の理解 | 時間が必要な場合あり | 比較的早い |
| 日本語教育 | N4を目標 | N3を目標にできる |
| 特定技能への準備 | 入国後にN4取得が重要 | 早い段階から準備可能 |
| 日本語能力の「伸び」 | N5→N4を示しやすい | N4→N3などの向上を目指す |
つまり、
「優良ポイントを取りやすいからN5で入国させる」
という考え方だけで人材を選ぶのはおすすめできません。
CB YANGONではN4を「ゴール」にしない
CB YANGONでは、育成就労人材について、できるだけ入国前から日本語能力を高めることを重視しています。
そのため、
N5合格者
→ 日本でN4以上を目標
N4合格者
→ 日本でN3以上を目標
というように、入国時の日本語能力に合わせて、次の目標を設定することが重要だと考えています。
N4に合格して日本へ行くことを「日本語教育の終了」とするのではありません。
N4はゴールではなく、日本で働くためのスタートラインの一つです。
入国後も継続して日本語を学ぶことが、仕事への定着、安全、コミュニケーション、そして将来の特定技能への移行につながります。
「30点に届かない可能性がある」とはどういうこと?
企業様から、
「N4合格者を入国させると、優良ポイントが30点に届かなくなるのですか?」
というご質問をいただくことがあります。
ここは正確に理解する必要があります。
N4で入国しただけで「30点未満になる」と決まるわけではありません。
優良な育成就労実施者の評価は、日本語能力だけで決まるものではありません。
複数の評価項目を合計して判断されます。
そのため、
N4入国=優良になれない
という意味ではありません。
一方で、入国時からN4を取得していて、その後もN4のままであれば、日本語能力向上に関する加点を十分に確保できない可能性があります。
したがって、企業は採用時点から、
「この人は日本に入国してから、どの日本語レベルを目標にするのか」
まで考えて育成計画を作ることが重要です。
大切なのは「入国時の日本語」と「入国後の育成」の両方
育成就労では、
N5の人材を採用するか
それとも、
N4の人材を採用するか
ということだけを考えるのではなく、
入国前
できるだけ仕事・生活に必要な日本語を身につける
入国後
現在のレベルよりさらに日本語能力を向上させる
3年後
特定技能として長く活躍できる人材に育てる
という流れで考えることが大切です。
まとめ
育成就労でN4合格者を入国させることには、仕事の理解、コミュニケーション、安全、特定技能への移行など多くのメリットがあります。
しかし、優良な育成就労実施者の評価を考える場合には、
「入国前にN4を持っているから安心」
だけではなく、
「入国後にN4からどこまで日本語能力を伸ばすのか」
まで計画しておくことが重要です。
N5で入国した場合は、
N5 → N4
N4で入国した場合は、
N4 → N3
というように、本人のスタート地点に合わせた日本語教育を行うことがポイントになります。
育成就労制度では、単に日本語能力の高い外国人を採用するだけではなく、
「採用した外国人を企業と関係機関がどのように育てたか」
という視点が、これまで以上に重要になります。
CB YANGON COMPANY LIMITED
当社では、育成就労制度を見据え、入国前のN5・N4教育だけでなく、日本での仕事につながる会話力や職種別日本語の教育にも取り組んでいます。
※本記事は2026年9月10日時点で公表されている制度情報をもとに作成しています。実際の優良要件・加点については、最新の育成就労制度の省令、分野別運用方針、運用要領等をご確認ください。

