育成就労制度について(現時点)

育成就労制度について(2025年9月時点)

育成就労制度とは何か

技能実習制度を見直して新設される外国人受入制度。人材育成と人材確保を目的としており、単なる技能移転ではなく、日本で働きながら必要な技能を身につけ、企業の人手不足解消にもつなげる制度。

制度創設の背景

– 技能実習制度での労働環境の問題(長時間労働、賃金未払い等)
– 転籍の自由がほぼなかったこと
– 技能実習→特定技能への移行が不十分
– 制度目的と実態の乖離(国際貢献 vs 実際は人手不足補填)

主な内容・特徴

・在留資格:『育成就労』が新設
・期間:原則3年以内
・対象分野:特定産業分野(介護、建設、農業、宿泊、製造業など)
・技能水準:特定技能1号レベルを目標に育成
・転籍:一定条件下で可能に
・日本語能力:重視され、要件が設定される方向
・監理体制:監理支援機関による監督強化、許可制・外部監査導入

制度のスケジュール・施行時期

– 2024年6月:関連法改正成立
– 2027年:技能実習制度を廃止し、本制度を完全施行予定
– 移行期間あり、詳細は調整中

育成就労制度と他制度との比較

– 技能実習制度と比べ、在留資格・転籍可否・日本語要件などで改善
– 特定技能制度との関係:育成就労→特定技能への移行を前提に設計

未確定事項

– 施行開始日や具体運用規模
– 分野ごとの受入枠・人数
– 日本語要件や試験の詳細
– 転籍ルールの具体条件

メリット・期待される効果

– 外国人の労働環境・権利保護の改善
– キャリアパスが描きやすい(育成就労→特定技能)
– 企業の人手不足解消に寄与
– 日本語能力向上による円滑なコミュニケーション

課題・懸念点

– 企業側のコスト増(教育・研修・体制整備)
– 転籍自由度による人材定着の不確実性
– 非対象分野の企業への影響
– 監督・監理が十分に機能するか
– 日本語要件が外国人側の負担となる可能性